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小林啓倫

小林 啓倫
東京都内のコンサルティングファームで働くシロクマ。吉祥寺近辺に出没中。

家探しをするときに使えるWEBサイトを求めて、日本国内から海外のサイトまで、様々なサービスを探って行きます。

本人は18歳の時に親元を離れ、以来国内で6回・海外で1回の引越しを経験しました。現在は家族(妻1・娘1)と一緒に、賃貸マンションに生息しています。

スマッチブログと共に、POLAR BEAR BLOG(個人ブログ)、シロクマ日報(ITmedia オルタナティブ・ブログ)という2つのブログも更新中です。また有志と共に、社内ブログ/SNS研究会を運営しています。


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2010年3月

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シックハウス対策に「イヌの鼻」を

一時期でしたが、「
シックハウス物質、イヌ並みに嗅ぎ当て 新センサー開発 (asahi.com)

シックハウス症候群の原因物質を、イヌの鼻に匹敵する高感度で検出する小型ガスセンサーができた。産業技術総合研究所東北センター(仙台市宮城野区)とセンサー会社の船井電機新応用技術研究所(茨城県つくば市)の共同研究。さまざまな有毒ガスや残留農薬の検出にも応用できるという。

とのこと。当然ながらこれまでもセンサーは存在していたのですが、現在存在している「酵素利用型のセンサーは感度が低いうえ、使うごとに感度が下がるのが欠点」だったそうです。しかし今回の新技術で開発されたセンサーは、従来型よりも感度が良く、しかも20回使っても感度が落ちなかったとのこと。

携帯できるように小型化されたセンサーの開発はこれから、だそうですが、携帯電話サイズのものが開発されれば個人利用も可能になるかもしれませんね。引越しを検討している家屋や、良く行く建物に持ち込んで、害をもたらすシックハウス物質の有無を事前に確認する……ということができれば、大きな手助けになるでしょう。




健康な住まい

階段ですべったこと、ありますか?

はい、もちろん僕はあります。自慢ではありませんが、僕は平地(?)でもよく転ぶタイプ。階段で怖い思いをしたことももちろんあります。で、最近行われた調査によれば、階段で転がってしまう人は僕だけではないようです:

【調査】建物内事故の最多パターンは「階段で滑る」、国総研調べ(ケンプラッツ)

国土交通省国土技術政策総合研究所の建築研究部(長いですね)が行った調査について。それによると、日常生活で建物(自宅を除く)の中にいたとき、墜落・転落・転倒などの事故に遭った場所は多い順に階段(回答者の約30%)、室内(約28%)、廊下(約19%)であることが明らかになったそうです。また事故の理由としては、「濡れていた」(約29%)、「滑りやすい材質だった」(約19%)、「滑り止めがなかった」(約17%)と、滑って転倒したことをうかがわせる回答が目立った、とのこと。

この調査、「自宅を除く」となっているのですが、事故にあった場所という項目では「集合住宅(共用部分)」が約27%でトップに立っているんですね。遅刻しそうで慌てているときゴロゴロ、あるいは帰ってきてホッと気が抜けたときにゴロゴロ、といったイメージでしょうか。自宅の中は「滑りやすくないかどうか」ということをチェックしていても、意外に共用部分は気をつけていないのかもしれません。

ちなみに、同調査ではこんな怖いことも言ってます:

同研究部は厚生労働省の統計に基づいて、自宅以外の建物や路上で転倒したり転落したりして死ぬ人の数が今後どう推移するか予測した結果も発表した。現状は3000人程度だが、社会の高齢化に伴って増加し、2027年には5000人を超えるとみている。

高齢化に伴って、ゴロゴロしてしまう人は今後増加すると予測されているのですね……いや、冗談ではなく、「共用部分が滑りやすくないかどうか」も家探しの重要なポイントなのかもしれません。

住宅の履歴書が分かるデータベース、国が構築へ

不二家のお菓子や牛肉なら「しばらく買わないでおく」という選択肢もありますが、住まいに欠陥が見つかったからといって「しばらく別の家に住む」とは簡単にはいかないですよね。だからこそ、事前にできる限りチェックしなければならないわけですが、住み始めてから「こんなことがあったのか!」と気付くことも……そんな問題を防止するために、国が住宅改修履歴の一元管理に乗り出すそうです:

住宅改修履歴を一元管理 耐震偽装やガス事故で (asahi.com)

改修や設備機器の点検など、個々の住宅の履歴情報を蓄積するデータベースが開発されるとのこと。国土交通省主導で、今後3年かけて業界統一の情報登録・管理システムを整えたうえで、データの収集・情報提供を行うそうです。3年かけて規格統一・システム構築というのは少々遅すぎのような気もしますが、それだけ将来の使用に耐えうるシステムが完成するのだと期待しましょう。ともあれ、このデータベースさえあれば、設計図や施工に関する情報から、耐震診断やリフォームなど改築、修繕、点検の情報まで確認できるようになるとのこと。

国はこうした情報の開示で中古住宅に対する安心感が広がり、日本の中古住宅市場の活性化につながると考えているそうです。確かに事前に全ての情報が入手できるのであれば、それに基づいた判断ができて、安心して(あるいは納得した上で)契約ができますよね。例えば「これだけは譲れない」という点を条件にして、物件を検索することができるようになるかもしれません。住宅探しがますます効率的に、安全に行うことができるようになるでしょう。

しかし、従来も法律により「欠陥住宅」の防止は行われていたはず。法律の不備や悪質な業者の存在によって、規制がないがしろにされていたわけです。今回のデータベース構築も、同じような結末を迎えない保証はあるでしょうか?

システムが不要というつもりはありませんし、このデータベースによって消費者保護が進むことは間違いないでしょう。しかし住宅市場を活性化するためには、制度やシステムに対する信頼感を育てていくことが、同時に必要ではないでしょうか。業界団体の方を向いて規格統一・システム構築を進めるだけでなく、消費者へのアピールや経過報告、消費者の意見の反映も積極的に行って欲しいと思います。

家を建てるなら、急いだ方がいいのかも?

2007年になりました。今年もスマッチ!ブロガーの一員として、頑張っていきたいと思います。

で、年明けは何か明るい話題をと思っていたのですが、目に付いたのはこんな気になるニュース:

【2007年問題】約7割の建設関係者が大量退職を懸念——意識調査の結果・第1回 (ケンプラッツ)

「団塊の世代」にあたる人々が大量に定年退職することで、彼らが持っていたノウハウやスキルが失われてしまうという「2007年問題」。様々な場面で耳にされた方も多いと思いますが、建設業界も例外ではないようです。2007年問題が自分の会社や身近な取引先で生じると懸念している、と回答した人々は、なんと約7割にも上りました。「IT技術などのサポートがあるので、2007年問題はさほど大きな影響はない」と主張する声もありますが、建設業界の現場では不安視する声の方が大きいようです。

もちろん若い世代の人々が、スキルもノウハウも不足しているというわけではありません。しかし経験のある技術者の絶対数が少なくなることは事実ですから、何かしらの影響が出ると考えるべきでしょう。そうなると、家を建てたいと思っている人は急いで話を進めておいた方が良いのかもしれません。

そうでなくても、耐震偽装問題やリフォーム詐欺など、住宅をめぐる問題は根強く残っています。せめて今年は1つでも多く、楽しいニュースを耳にしたいですね。

「丸投げ明記」が与えるインパクトとは?

今週月曜日のニュースになってしまいますが、分譲マンションに関して、1つ重要な法改正に向けての動きがありました:

マンション工事丸投げ、広告での明記を義務化へ(朝日新聞)

耐震強度偽装事件を受け、不動産業界は、大手ゼネコンなどが工事を下請けに「丸投げ」した新築分譲マンションについて、下請けの施工業者名を広告に明記するよう義務づける方向で検討に入った。

というニュース。記事によれば、ルールに従わなかった場合の罰則規定も盛り込まれるとのこと。今後は注意していれば、買おうとしているマンションが実際にどの業者によって施工されたかがチェックできるようになるわけです。

しかし施工業者が分かったからといって、消費者にどの程度の影響を与えるものなのでしょうか?そもそも施工業者を明らかにするというからには、「消費者は業者のブランドを気にするもので、実際の施工業者を知りたがっている」という前提がなければなりません。さらに「現在は丸投げと丸投げ隠しが横行しているため、業者を強制しなければ消費者の利益が守られない」という前提もなければ、罰則を含んだ法改正の動きは生まれないはずです。

ところが、規制される側の不動産業者はというと、「これまで目立った異論はなく、要請通りに改正される見通しという」ことです。異論がないのなら、なぜ今は明記していないのでしょうか。実際には「丸投げ」はレアケースなのでしょうか?

具体的なデータがあれば良いのですが、すぐに調べられないので、これも同じ朝日新聞の記事を引用してみましょう:

国交省によると、耐震強度偽装事件では、姉歯秀次元建築士が偽装したマンションやホテル計98件のうち22件が、元請けのゼネコンなどから木村建設に丸投げされていた。

とのことですから、少なくとも偽装物件においては、2割強が「丸投げ」です。丸投げをしなくても偽装できているわけですから、偽装物件だからといって丸投げのインセンティブが強まったとは考えにくいでしょう---従って、「普通の」物件でも2割程度が丸投げされていると推定されます。いずれにせよ、「丸投げ」は決してレアケースと言えそうにありません。ではなぜ、不動産業界は今回の規制に反対しないのでしょうか?

業者が「これを気に丸投げは止めてしまおう」と考えているのでもなければ、考えられる可能性は2つです。1つは、業者たちが「どうせ消費者は気にしないだろう」と考えているという仮説。いまは耐震偽装問題などで消費者の目が厳しくなっているものの、すぐに「丸投げ」なんて気にしなくなり、広告やパンフレットに小さく記述される(実際にどのような表記方法が要求されるかは分かりませんが)だけの「下請け業者」などに注意を向ける人はいなくなるだろう---と思っているのかもしれません。

もう1つは、業者たちが「どうせ丸投げしてもバレないだろう」と考えているという仮説。実際、委託業者に自社の作業衣を着せるなど、下請けを入れているか否かを判別するのはかなり難しいそうです(システムエンジニアリングの業界でも、下請け業者に自社と同じ名刺を用意させて、「当社の人間です」と紹介してしまうことはよく行われていたりします)。また「どこまでの作業を委託したら『丸投げ』か」という認定基準の部分が、法の抜け穴になる恐れもあります。保険の約款のように、消費者がよくよく探さなければ見つからないようなところに下請け業者名を記載しても「合法」と判断される---などといった危険性もあるでしょう。

仮説1・2のどちらにしても、私たち消費者が賢くなければ、どんな法律があっても無力なのではないでしょうか。今回の法改正の動きを一過性のものにせず、「丸投げ」も含めた建築業界の体質を続けてチェックしていく姿勢が必要だと思います。不動産検索サービスでは、「下請け業者」が簡単に検索できるようにするなど、消費者をサポートするような機能が充実することを期待します。

いま求められているのは「不安の解消」

住宅に関係する話題で、最近最も注目されたものといえば「耐震強度偽造問題」でしょう。この問題により、私たちの住宅に対する信頼というものは一気に失われてしまいました。一時期のように連日新聞の一面を飾り、ワイドショーに取り上げられるということもなくなりましたが、人々はまだまだ住宅に不信を感じているという調査結果が出ています:

「欠陥住宅・耐震偽装物件はもっとある」と思う人が約99%(nikkeibp.jp)

ユナイテッドルームが行ったアンケート調査によると、耐震強度偽造問題にあったような、欠陥住宅・耐震偽装物件がまだ隠されていると考える人が98.6%に達することが分かったそうです。不動産会社が開示している情報についても、8割以上の人が「情報開示が不十分である」と感じているとのこと。このような状況では、いくら「今が住宅の買い時ですよ!」と言われても、簡単に「それじゃ買うか」という気分にはなれないでしょう。

いま求められているのは、業界が全力をあげて人々の不安を解消することではないでしょうか。例えばユナイテッドルームのアンケートによれば、こんなニーズが挙がっているそうです:

開示すべきだと思う情報は、「第3社機関・公的機関からの物件の性能評価」「設計図書・構造計算書の設置・閲覧・解説本の作成」「建設現場の見学会・建設現場の映像や画像」などが上位で、「たとえ内容の詳細を理解することは難しくても、物件に対する安心感を抱かせる情報を求めている」(同社)という。

このような情報は、まさにWEBサイトに掲載するのに適しているのではないでしょうか。例えば物件検索をした後の詳細画面に、「性能評価を見る」というボタンを設置して、気になる人にはいつでも閲覧可能な状態にしておく分けです。同時に「性能評価書の見方」のようなマニュアル・ヘルプ機能を付けておけば、店舗で従業員が説明に時間を割く手間も省けるでしょう。また「建設現場の見学会・建設現場の映像や画像」がクリック1つで簡単に閲覧できるようなサイトも、現在ならいくらでも設置可能なはずです。

WEBの進化が進み、様々なリッチ・コンテンツを持つサイトが登場しています。しかし住宅関連情報サイトにおいては、相変わらずお決まりの情報しか置いていないサイトが多いのではないでしょうか。操作性やデザインを改善することもいいのですが、いま消費者が一番求めている情報を、分厚く掲載するようなサイトが登場しても良いと思います。